Hikari & Kage – Ascension -(2009)

Ascension (2009)

Hikari & Kageシリーズは、陰陽を象徴するソタイのオブジェをシンクロナスモーターで低速で回転することを特徴とするインスタレーション作品である。

AscensionはHikari & Kageシリーズ第2作の作品で、11体のソタイオブジェで構成される。

11体はそれぞれ3体の組み合わせを5つ連ねた形となっている。三日月の形の寒水石の敷石は、3体のTrinityの形を伸ばして曲げているともいえる。さざ波のような敷き方で、海のイメージも盛り込んでいる。

敷石の三日月の形は女性の子宮を連想させる。神社には結界を形作る鳥居をくぐり抜ける参道というものが必ずあるが、これは女性が子を産む産道に通じるといわれている。神社に詣でるとは自分の魂を生き返らせることであり、参道から入り礼拝して浄化されて再び参道から出る行為とは、そのまま死と再生を意味することになる。

この作品では神社のそうした機能を意識しつつ、円弧で囲まれた空間が神社の空間と同じように結界が張られた空間となり、この作品の中に入ることが自己の魂を浄化に通じる行為となることを意識している。

<展示>

  • 2009年 市川衛個展 『SOTAI』トキ・アートスペース (東京)

<展示写真>

2009年 市川衛個展 『SOTAI』トキ・アートスペース (東京)