RACE(2008)

RACE

3部作であるFREEDOM、RACE、CROSSのソタイ画のひとつ。3部作はそれぞれ赤、緑、青の世界を表現した絵画に、オビツの1/6 (27cm)スケールのソフトボディを組み合わせたものである。

RACEは草木を象徴する緑の世界をテーマとしている。使用しているボディはすべてうつ伏せで、背番号がつけられている。円を形成する12体と中心の1体の合計13体で構成し、すべて左上に向かって整然と整列させている。
緑の世界は山野の緑や、川の水の流れの中で揺れる水草などのような、生命の源泉をイメージしている。
ボディに背番号を課しているのは、人間の宿命や個人に課された使命、せめぎ合いながら競争をする人間の姿などを表現している。RACEというタイトルには、競争のレースと、民族的な種族の意味の双方の意味が込められている。

12という数は完全な数を表わすといわれている。12星座や1年=12月、キリストの12使徒など、重要な意味をもつ霊数である。12のソタイで円を形成することで、この完全性が表現される。

完全性を表す円の中心に加えられた1体は、12体を率いる中心的存在である。 こうした形態は、12使徒を率いたキリスト存在や、日月神示(ひふみしんじ)における○(まる)にチョンが加わった神人一体などを象徴する。

13体がひとつとなって左上に向上する様子は、いくつかのイメージを連想させる。人間がリーダーのもとに一糸乱れることなく目的に向かう意志が、宿命や全体として人間の霊性向上を目指す姿を意識して制作した。