カエデひかる(2015)

ーひかるカエデのインスタレーションー

マイコン内蔵フルカラーLEDで色が変化する台座の上に置いたガラス容器に紅葉したカエデの葉を置き、暗い空間でカエデの葉の色が不思議に変化することを体感するインスタレーション作品で、大阪芸術大学のインタラクティブアート研究会の制作ユニットのデジタルマッチョの協力を得て製作された。。

2015年11月7日〜15日に奈良の宇陀で行われた『アートウィーク in 菟田野 〜木造校舎 現代美術館2015〜』に出品された作品のひとつ。開催地は宇太小学校跡地に世界のカエデ1,200種3,000本を集めた「奈良カエデの郷ひらら」であったので、カエデをテーマとしたインスタレーション作品を制作・展示した。

カエデの葉をLEDのいろいろな色で実際に透かしてみて不思議な現象も発見した。全ての色が同じように葉を透過するのではなく、赤や緑の系統の色はよく通して美しく光るが、青系統の色ではあまり透過せず黒っぽくなるという現象を発見したのである。なぜそうなるのか考えた結果、植物の葉は光合成を行うので有用な光は透過するが、紫外線など青系統の光はDNAに影響があるなど有害なので透過しないのではないかと推理してみたりした。
また、緑の葉に赤色を透過させると紅葉したように見え、紅葉した葉を緑で照らせば緑の葉のように見えてしまうことも発見した。
そういえば木々の緑や紅葉が青空の光に映えて美しく見えるのはこうした物理現象があって、青を抜いた色で一層美しく見えるのではないかと気づいたりして、作品制作を通じて生命の不思議に触れたような気がした。