「Messages from Adam」は、2005年11月に大阪芸術大学で開催されたSAGA8シンポジウムに連動して開催された『アーツ・アンド・エイプス展 ─大型類人猿から芸術を考える─』の参加作品の完成版である。
15万年あまりだといわれるヒトの歴史の遺伝情報の連鎖をテーマとしている。 左右に配置した15万年前の人類と現代人の等身大パネルの間に、ダイヤル式電話を16台並べて、電話一台の間隔を1万年と見立てることで左から右に15万年の人類の生物学的時間を表現した。
鑑賞者は電話のダイヤルを回すことで作品とインタラクションができ、回したダイヤルの数だけ右の電話に情報を伝達させることができる。 左右は作家本人の等身大パネルで、作品に自身が登場した最初の作品である。 左の原始人は特殊メイクをして撮影している。
「Messages from Adam」は市川衛個展『DEN-WA』(2006)(トキ・アートスペース)での展示もした。
「Messages from Adam II」は、2006年8月に大阪のCASOで開催した市川衛個展『DEN-WA II』に出品した作品で、「Messages from Adam」をバージョンアップしたものである。
現在の人類の先祖は15万年あまりという情報で最初制作したが、後で20万年という説の方が有力だと知り、あと5台を足したバージョンも後に制作した(未発表)。 さらに改良した20台のバージョンの大規模な仕掛けの作品があるが、現在発表は未定である。
<展示>
- 『SAGAシンポジウム アーツ アンド エイプス展』(大型類人猿から芸術を考える) 大阪芸術大学キャンパス
- 市川衛個展『DEN-WA』(2006)トキ・アートスペース (東京)
- 市川衛個展『DEN-WA II』(2006)CASO(大阪)
<市川衛個展『DEN-WA II』(2006)展示写真集>