人間の身体は食べ物と飲み物からできている。この基本的過ぎる情報の重要性を認識することがとても大切だと思う。そして、精神も肉体の一体であることを知れば、精神と食が実は直結していることがわかってくる。
人類は長い歴史の中で生きる土地の気候や風土に合った食文化をそれぞれの民族に適した形で築いてきた。そうした食文化の発達の歴史の中で、安全で美味しい食というものが確立されていった。
そして、現代になって大量流通と大量消費を目標として、保存性が高く見た目が美しく美味しそうに見える食品が食品添加物を利用して大量に開発された。その安全性については初期には多くの正常な批判があったが、いつしか安全よりも利便性の方が重視されて正常な批判力は失われ、食の世界に危険的状況が生まれ、かつての正常な食文化の崩壊が始まった。また、食文化の変容に陰謀論の疑いも大いに語られている。
安全で豊かな食は人間の生活の重要基盤であると同時に貴重な文化である。
「食を取り戻す」という命題は単なる食の世界だけの問題ではない。
そこには利益追求至上主義を是とするブラックな社会構造という背景がある。
世界を変えるのは壮大で個々人には到底手が届かないことのように思える。
しかし、食というものが基本的な人間行動であるがゆえに、その変革は世界を変える蟻の一穴になりうるのではないかと感じている。
「たかが食、されど食」
食を選び、食を育て、自分自身を取り戻することからすべてが始まるのかもしれない。
その先にこそ「正しい世界」があるのだろう。
このコーナーでは私が身につけた食品添加物についての知識と、それに基づいた食の選択の現在を紹介していく。