調味料

醤油・味噌・塩・砂糖・酢・料理酒・ミリン・出汁醤油・ポン酢・ソース・からし・唐辛子などさまざまな調味料があるが、スーパーなどで並んでいる製品のほとんどには食品添加物が含まれている。
従来の安全でおいしい伝統的な製法は手間がかかるので、簡略化して早く安く保存性が良いという効率を追求するために食品添加物が多数利用されている。
食品添加物が人間にとって無害あるいは有益だというならそれも理解出来るというものだが、事実は全く逆であり、調味料は料理の美味しさを左右する核となるものだけに、安全性という面だけでなく、料理の本来の美味しさの追求という面でも本来の調味料について大いに見直す価値はある。

日本は世界一の美食の国だといわれるが、日本食の文化を支える縁の下的な存在は麹である。麹は食品の発酵を生み出すカビの一種で、中でも米麹は千年以上も長い年月を経て日本人が改良を続けて育て上げてきた麹で、味噌・醤油・清酒・みりん・酢などの大切な材料になる。
醸造所に住み着く細菌や、原料となる米や豆などの材料や使う水の品質などで味は異なり、多様で豊かな味が生み出される。

安い大半の醤油は本当の醤油でなく醤油風調味料というもので、名ばかりのもどき食品である。丸大豆醤油の原材料は丸大豆・小麦・食塩とシンプルだが、醤油風調味料は油を取った絞りかす脱脂加工大豆を材料にして工業的に短縮醸造された新式醸造醤油というものだ。
醤油風調味料はグルタミン酸ナトリウムでうまみ成分を補い、甘味料や酸味料で味を整え、保存料・着色料なども含まれており、味は本物の醤油とはほど遠いニセモノである。

醤油の原料

醤油の原料

一般の人が醤油だと思っている味は醤油の味ではなく醤油風調味料である。本当の醤油の味を知るようになると、醤油風調味料は味の面からだけでも全く使用したいとは思わなくなった。
本当の醤油の味は銘柄ごとに皆違い、独特な特徴やクセがあるものも多く、お値段も非常に高価なものもある。大手の醤油醸造メーカーとしてはヒゲタしょうゆが伝統的な醸造法を守り非常に良心的だと高い評価を得ているようである。
通常使いの醤油としてクセがあまりなくて本物の味がするお手頃な値段のこいくち醤油として、私はヒゲタ醤油の「本膳」を愛用している。この醤油はスーパー購入出来るスーパーも多く、ネットで見た人気投票でも支持率がトップであった。しかし今ではそれも原材料に問題があるので使用しなくなり、伝統的な本物の醤油をいろいろと試しながら自分の好みに合ったものを探している。

麺つゆや出汁醤油のほとんどはグルタミン酸ナトリウムが入っていて、あまり美味しくもなく買わない。しかし、利用しているスーパーの良品コーナーで添加物が入っていない良品の出汁醤油を発見した。これは森田醤油の「万能だし醤油」という商品で、これはさまざまな料理の味付けの他に、麺つゆや納豆の醤油(ついている物は全部捨てる)としてもとても美味しく便利に使え愛用している。森田醤油の商品では「手造りぽん酢」も無添加で美味しく同様に愛用している。

万能だし醤油

味噌も原材料がしっかしていて、伝統的な醸造法に近いものをなるべく選ぶようにしている。味は好みのものを探しながらの試行錯誤を繰り返している。
出汁入り味噌という商品があり、高級割烹の味などと銘打っていたりするが、出汁入りとはつまりアミノ酸ナトリウム入りということを知ったので絶対買わない。
2021年に初めて良質の材料での味噌作りを体験したが、今までの市販品とは異なる格別の美味しさに感動した。発酵は冷蔵庫に入れても進んでいて醤油のような液体が溜まり、色も味も時間と共に変化していくので味噌が生きていることを実感できた。

酢・料理酒・ミリンなどの醸造品も同様に良質の原材料で本来の醸造法で作られたものだけを選ぶようにしている。

つづく・・・